2021年9月〜11日に開催された、第49回可視化情報シンポジウム(主催:可視化情報学会)のアートコンテストにて大賞を受賞しました。
受賞作品タイトルは「新型コロナウイルスゲノム系統樹の3次元可視化」です。


アートコンテストは可視化に関連するアート作品の顕彰を目的とし、優秀作品には大賞、金賞、銀賞が授与されます。本作品の共同作者であり多数のご助言をいただいた中川草先生(東海大学医学部)、脇田玲先生(慶應義塾大学環境情報学部)をはじめ、ご協力いただいた皆様に御礼申し上げます。

本作品は世界を混乱に陥れた新型コロナウイルスの遺伝情報を世界中で解析したオープンデータを基に、その系統樹を時間、緯度、経度に関連づける表現手法を開発し、変異株の進化の過程や地理的な広がりを可視化したものです。

国際的な移動制限政策が発せられた時期に、ウイルス変異株の広域的な拡散が抑制される様子や、急拡大するデルタ株の様子などが可視化され、ウイルスの猛威とそれに対する人間のせめぎ合いを彷彿とさせます。

依然としてCOVID-19の収束が見通せない中で、生命科学、医学、疫学など各分野の先端的な研究によりわかってきたこと(まだわかっていないこと)を科学的な目線で社会にわかりやすく伝えることも情報可視化の重要な役割と考えて制作しました。

現在はアートだけではなく、報道番組での使用や医学的な解析ツールへの応用を進めており、引き続き研究してまいります。

「新型コロナウイルスゲノム系統樹の3次元可視化」
山辺真幸(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
中川草(東海大学医学部基礎医学系分子生命科学)
脇田玲(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)

プロジェクトサイト
https://timespacephylogeny.xyz

可視化情報シンポジウム アートコンテスト
https://www.vsj.jp/symp2021/art_contest.html