〈18世紀〜19世紀:画像1枚目、2枚目〉
1750年から1850年の間、ヨーロッパ諸国の商船(帆船)の航跡を当時の航海日誌に基づく位置情報を使用して全地球上に可視化。線の色は船の所属国を示す。自律的な動力によらず風と海流を頼りに富を求め移動する様子は複雑で有機的な生命活動の様相を呈している。
〈現代:画像3枚目、4枚目〉
2017年1月に航行したDWT(載貨重量トン数)10万t以上の輸送船を、地上局と人工衛星からの位置情報を基に可視化。コンテナ船が緑色、原油などエネルギーを運ぶタンカーが青色で示されている。海上航路が確立された現代においては、最短距離に近い直線上に線は重なり効率化されていることがわかる。一方で過大なCO2排出などの問題もある。
舶の数はともに約5千隻と、ほぼ同規模である。
慶應義塾大学SFC脇田玲研究室(長島禎, 山辺真幸, 脇田玲)
[Data Source]CLIWOC(A Climatological Database for the World’s Oceans 1750–1854)、vesselfinder.com
[参考・協力]「世界貿易の多元性と多様性―『長期の19世紀』アジア域内貿易の動態とその制度的基盤(課題番号24243045)」代表者:城山智子(東京大学大学院経済学研究科教授)、「VEHA:アジアにおける貿易史の可視化」長島禎